後期高齢者医療制度の誕生について
2008年4月1日、いよいよ後期高齢者医療制度が施行されました。
この新しい制度によって、高齢者の年金から保険料が自動引き落とし（天引き）され、様々な混乱を招いています。
まだ説明が十分に行き届いていない状況のなかで施行されましたので、よくこの制度の仕組みが解ないという人も少なくなく、このような混乱の状況に陥った今も尚、十分な説明がなされていないというのが現状だと思われます。
このページでは、この新しい後期高齢者医療制度について、まだどういったものなのか十分に把握しきれていないという方々に対して、どのような経緯でこの制度ができたのかをご説明します。
後期高齢者医療制度は、皆さんもご存じの通り、75歳以上の年齢の方々を対象とした医療保険制度です。
この保険制度の特徴としては、他の健康保険とは独立していることが挙げられます。
なお、この制度は、施行日の当日に長寿医療制度と名称が変更されました。
この変更についても、良い印象をあまり持っていない人が多いようですが、名称を変更した限りでは、今後もこの長寿医療制度という名称で進める事になるのでしょう。
まず最初に、後期高齢者医療制度は75歳以上の人が適用される医療保険制度である事、次に後期高齢者医療制度はすなわち長寿医療制だという事を理解しておきましょう。
この長寿医療制度（後期高齢者医療制度）は、本来は国の医療制度改革のうちの一環として発案されたものです。
高齢者に関する医療は、今までは老人保健法という名の法律のもとで行われてきていて、その法律の主旨は高齢者の医療に対してできるだけ負担を少なくしようというものでした。
高齢者の負担は健康・国や都道府県、市町村からの負担金などで賄ってきました。
しかしながら、近年、社会の高齢化が進むにつれ高年齢層の人々が増え、上記の金銭だけでは実際問題として賄うのが不可能になってきました。
その不足分の補填を行う主旨の元に、長寿医療制度（後期高齢者医療制度）が新たに誕生したという訳なのです。