後期高齢者医療制度は長寿を祝える制度なの?
75歳以上の方や、65歳以上で一定の障害を持っている高齢者の方にとっては、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の制定はその方々の生活に非常に重要な影響を及ぼすことになるのは避けられないでしょう。
しかしその一方で、国は医療費の確保という非常に大切な命題に対し、ひとつの結論を出したと言えます。
そのひとつの結論がまさに、この長寿医療制度(後期高齢者医療制度)になるのです。
長寿医療制度(後期高齢者医療制度)とは、誤解を恐れずに言えば、現在の高齢者の方々に負担を強いることで、これから増え続けるであろう医療費を確保しようということなのです。
この国の方針に関しては、少々本末転倒な感があるのは否定できません。
高齢者の方の中には、この制度によって新たに保険料を年間5〜10万も多く払う事になり、生活が困窮する方も少なくありません。
そういった生活が困るようになる方々から、今は本人さんには必要ない未来の医療費を強制的に徴収したところで、それがプラスになると果たして言えるのでしょうか?
世界的に見ても日本は、トップクラスの長寿大国です。
既に何度もニュースで取り上げられているのでご存じかと思いますが日本の平均寿命は世界で1、2を争うほどにまで高まっています。
現代のように医療が発達していくことで、今後も高齢化社会が続くのは容易に想像がつきます。
そのような高齢化率がさらに高まるとおもわれる世の中で、今の50代、60代の方々が長寿で生きられる事を果たして心の底から祝えるのかというと、正直少々疑問を感じずにはいられません。
将来の健康や、経済的な事を考えると、とても祝ってもらおうという気持ちにはなれないよという人も多いのではないのでしょうか。
できるだけ健康で、長く生きるということは、ほぼすべての人間の生きる目標の最も大きいうちの一つとして、否定する人は殆どいないでしょう。
一日でも長く生きることを人生の生きがい・目標にしている人も少なくありません。
さらには、人生を長く生きた事で自分の周囲から祝ってもらうことが、長生きを目標としている人たちの喜びの瞬間でもあるのです。
しかし、今の日本の現状では、せっかく長生きしても必ずしも本人や周りの人たちが長生きしたことを喜べるとは限らないかもしれませんね。