後期高齢者医療制度のポイントその5
長寿医療制度(後期高齢者医療制度)が施行された事に伴い非常に大きく変わったポイントの一つとして重要なのが、保険金滞納者に対する対応になります。
今までの医療制度と違って、この長寿医療制度(後期高齢者医療制度)においては、多くの高齢者が年金から天引きされることで、保険料を納めるシステムになりますので、意図的に滞納するといったことはあまり多くないと考えられています。
しかしその一方で、保険料を天引きからではなく現金で納める高齢者も結構な数おられます。
具体的には、概算で約250万人となり、後期高齢者全体の約2割の方が該当すると言われています。
では、もしこういった方々が保険料を納ることをしない、またはできない場合、この制度は一体どうなるのでしょうか?
実はもうすでに前例があるのです。そう、国民健康保険と同じような扱いになるのです。
今までの医療制度では、75歳以上の老人医療受給対象者に関しては、その方が被扶養者の場合は、基本的に保険金は免除でした。もし、そうでない人が保険金を一時的に納めることがない場合でも、すぐに保険証が取り上げられるといった事にはなりませんでした。
しかしながら、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)では、保険証が取り上げられることとなり、その代わりとして資格証明書というものが発行されるようになってしまいました。
このような状態になってしまうと、一時的にはなりますが、病院等での医療費の支払い額は10割負担(すべてを負担)することになってしまいます。
高齢者本人が、申請すれば後期高齢者医療広域連合という所から負担金以外の額は一部支給されるのですが、それでもかかった費用のかなりの部分を負担することに変わりはありません。
容易に想像がつくかと思いますが、万が一手元にまとまったお金がない高齢者では非常に困ったことになるのです。
後から返ってくるとはいえ、いったんは病院に大きな金額を支払わないとならない訳ですから。
このこと一つ取ってみても、今までとは違って、保険金滞納者に対してはより厳正になったと言えるでしょう。
かなりの割合を占める、低所得者にとっては、かなり厳しい制度になった言わざるを得ないでしょう。