後期高齢者医療制度の効果
長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の制定によって、国は今後必要となる医療費の確保を期待していると発表してました。
しかしながら、残念なことにこの長寿医療制度(後期高齢者医療制度)から得られる保険料が実際の所、本当に医療費に充当されるのかは、はっきり言ってまだ不透明です。
政府が発表した試算によりますと、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)に変更になった事で新たに負担が増える保険料額は、全国平均で一世帯当たり何と年間72,000円にもなるそうです。
単純に12で割ると月に6,000円程度となります。
更に、これに全国平均で4,000円程度という介護保険料が加わることで、多くの高齢者は年金から実に月10,000円程度の天引き行われる事になります。
日本の人口の約1割が75歳以上だと言われている現状で、その高齢者から新たに、これだけの金額の徴収がなされるとなると、日本全体ではかなりの金額の保険料が動くのは想像に堅くありません。
しかしこれだけの金額の保険料が新たに徴収されることになっても、未来の医療がよくなる、良い効果が確実に現れるとは到底思えません。
なぜそのように言えるのか、そのわけは、現在の医療のシステム構造にあります。
現在の医療は、全体的に医者が十分に足りている状態とはいえません。
さらには、看護師も十分確保されているとはいえない状況です。
つまり、絶対的なマンパワーが足らないのです。
この医療関係者の不足により、医者や看護師には大きな負担を強いられているのです。
医者はまだしも、そのようなマンパワーが足らない状況で看護師を目指す人が増えるとは考えにくく、今後老人医療に関してはそのサービスを十分に確保することが非常に難しくなって行くと思われます。
マンパワーが足らないと、一つの病院自体が抱えられるキャパシティもかなりの部分で制限されるでしょう。
このような事を考えると、お金がスムーズに回るとは考えにくく、新制度の新しい受け皿となる広域連合も、先細りになる可能性は高いと言えるのではないでしょうか。
このように考えてくると、現在、この新しい制度に対して多くの国民から反発が生まれているということは、何も目先の天引きが原因では無いように思えます。
保険料が上がるといった以前に、まだまだこの制度について見直すべき点が多すぎる状況で踏み切ったからなのではないでしょうか。